なかなかないぐらいに、高温多湿を感じる年でした。
この2つが重なると、軟腐病が発生しやすくなります。
なんだそれは?と思う方。
軟腐病かな?どうだろう、情報が欲しい。という方
この季節の病害について知りたい方におすすめです。
管理栄養士になってから、オーガニックカフェで食材に関して勉強しまくった、現役農家がお伝えします。
今回はねぎにおける、軟腐病に関して少しでも参考になったら嬉しいです。
<軟腐病の発生>
今年のは夏は、人間にとっても野菜にとっても変則的で、1,2週間まえ倒しで
季節が来ている気候です。
特に高温と過湿が続いたのをおぼえていますか。
猛暑と大雨。
1日の災害級の大雨、滑川町や東松山市など、この地域一帯が台風直撃の
ようなニュースになるぐらいのものもありました。
今回の天候では、とことん畑を高温多湿状態に保持してくれました。
そして長期間状況が続き、より病害が一気に広がってしまいます。
今回メイン発生したのは、軟腐病です。
輪作(りんさく)をしていると、土壌内の栄養比率や微生物の種類が変わっていく
と言われています。
*連作(れんさく)は感染を助長するのでやめましょう。
昨年はとうもろこしを栽培した場所に、ねぎを植えてみて今回は病気が
発生してしまいました。
輪作を行っている畑では、初めてのことなので、少し手が遅れました。
<軟腐病とは>
軟腐病は、細菌由来の土壌感染により発症します。
この細菌は、ネギやニラなどのユリ科目のほかにもキャベツや白菜のアブラナ科、
トマト、ナスなどのナス科、さらには多様の野菜に感染します。
5月から10月の土壌が高温な時期に発生します。
ねぎが栽培されると、根の周りや葉表面上で繁殖し、農作業や害虫、風や
ドロはねなどによる傷から侵入します。侵入した細菌はかん水や雨によって
病斑部分から周囲に飛散して、伝染・蔓延していきます。
症状は、葉身から水浸状の病斑を生じ、やがて内部が腐敗して、
外葉から軟化、腐敗、そして枯死します。
地下部に発生した場合は、茎盤基部の一部がやや褐変し、生育不良となります。
いずれの場合も特有の腐敗的な良くない香りを放出します。
多くの初期症状は、葉の展開部に生じるものですが、地下部から
発生するケースもあります。
今回、当農園でのケースはこれでした。
この場合、茎内部の腐敗によってねぎ自体が生育不良になります。
手で触ってみると顕著にわかりやすく、身が入っていないことがわかります。
スカスカです。
地下部に関しては、簡単に抜くことができるぐらい、根自体が腐敗
もしくは短小になっています。
<軟腐病を防ぐには>
軟腐病は土壌蔓延する病気なので、多発する畑では事前に土壌消毒をする必要があります。
畑が高温多湿になった場合、根腐れを起こし、軟腐病にかかりやすくなります。
また、感染しているねぎ残さは次の伝染原因になるので、周囲のネギと共に抜いた後に、畑の外に持ち出しましょう。
薬剤での殺菌は、広範囲発生してからでは残念ながら難しそうです。
初期段階では、発生ねぎの排除、保護剤や殺菌剤を活用できます。
軟腐病は予防をメインに考え、防除しましょう。
参考薬剤
土寄せの傷から守る根元散布はオリゼメート粒剤
地上部の散布はスターナ水和剤、カスミンボルドー
ではまた。
良い畑ライフを!